One Cup of Tea
What's Matcha
抹茶とは、新芽を精製選別し、加工した良質な茶葉 (碾茶) を石臼挽きした微粉末のものを言います。茶葉を丸ごと頂く抹茶は、葉の持つ栄養を余すことなく摂取出来ます。深いコクのある旨みや高い栄養価があることから、抹茶を点てて「飲む」ほかにも飲料やお菓子、お料理のソースやトッピングなど「食」としても広く活用されています。
抹茶の茶葉は、ある一定期間 (4月から5月) 黒い覆いをかけて日光を遮断し育てられます。日光を浴びて育つ茶葉よりも薄葉で柔らかく苦み渋みの少ない覆香という抹茶独特の香りを含んだ茶葉に成長します。十分に覆いをかけた一番茶の手摘みのものは旨み、甘みが強く、高級品となります。また、煎茶との大きな違いとして抹茶の場合は揉む工程が一切入らないという特徴があります。
西尾抹茶は矢作川がもたらす豊かな土壌、上質な茶を育てる川霧の発生、温暖な気候に恵まれ、日本有数の生産量を誇っています。そんな西尾抹茶は、800年前に実相寺境内に開祖・聖一国師が茶種を撒いたことから始まります。その後明治に入り、紅樹院の住職・足立順道師が茶種と製造技術を導入し、大正後期には碾茶の栽培・製造が主となりました。現在も代々受け継がれた棚式覆下栽培や石臼挽きといった伝統的な製法にこだわり、他にはない上品な香りや旨味とコク、高い品質が品評会で高く評価されています。また、西尾抹茶は日本のみならず海外にも出荷を行っており、各国におよそ100トン以上もの抹茶が輸出されています。
How Aoi's Matcha is Made
抹茶ができるまでには、約1年もの年月がかかります。新芽が芽吹く4月上旬から茶葉に覆いをかけ、葉肉の薄い覆香のする旨み成分を含んだ新芽のみを摘んで、精選仕上げした茶葉だけを丹念に石臼で挽きます。1つの石臼で挽く抹茶の量は1時間にたった40g~60gほどしかありません。ゆえに抹茶は現代における最高の嗜好品なのです。
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茶畑に覆いをかけて日光を遮断し、立春から数えて88日目頃(5月の初め)やわらかくなった新芽のみを丹念に手で摘み取ります。
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手摘みされた新芽は、酸化酵素の働きをとめるためすぐに荒茶製造工場で高温で蒸し、ゆっくり冷却し、散茶機で水分を抜き乾燥茶にします。
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乾燥された後は精製工場に運ばれ茶葉揃え、風力、電気、色の選別を経て、茶葉の厳選やブレンドが行われます。さらに品質維持と香りの良さを引き出すため、乾燥機により火入れをします。こうして乾燥と火入れを加えられたお茶は密封され、石臼挽きされるまでの間、品質保持のためマイナス5℃で保管されます。
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冷蔵庫で保管された後は室温20℃・湿度35%以下に保たれたクリーンルームで石臼挽きされます。石臼で挽かれた茶葉は5~9ミクロンほどの粉末となり、抹茶ができあがります。丹念に挽かれた抹茶は最終検査をクリアしたものだけが梱包され全国に出荷されていきます。
Health Benefits of Matcha
緑茶には様々な薬事効果・健康効果が認められています。抹茶はほかの緑茶と違い抽出液ではなく粉末にした茶葉を丸ごと摂取するため、お茶の栄養分をそのまま体内にとり入れられる意味でスーパーフードと言えます。
お茶に一番含まれている成分といえば「茶カテキン」です。茶カテキンはポリフェノールの一種で抗酸化作用をはじめ、コレステロールや血圧、血糖値の上昇抑制作用、体脂肪軽減作用、さらには抗菌消臭などこれら以外の成分等含めればまさに万能良薬といえましょう。
抹茶には「テアニン」という、うま味成分のアミノ酸が多く含まれています。テアニンは副交感神経の働きを活性化することで興奮を抑え、心身をリラックスさせる作用があります。同時に瞑想や集中力アップにも期待できる飲み物として注目されています。